コリドラスを飼育したいと思ったきっかけは、「愛くるしい見た目」や「愛嬌のある動き」などなど人それぞれだと思いますが、せっかく迎え入れたコリドラスですから健康に長生きして欲しいですよね。
ただ、コリドラス飼育について色々な情報が溢れている現代において、どの飼育方法が自分に合っているのか?初心者の方が取捨選択していくのは至難の業だと思います。
気が付けば熱帯魚ショップの店員さんに言われるがまま、水槽セットを購入して飼育し始めたはいいものの、購入したコリドラスが☆になってしまったり、
うまく飼育ができないという悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「コリドラスの飼い方~楽な飼育方法」についてコリドラス飼育歴16年の私が詳しく書いていきたいと思います。
結論から言いますと、楽な飼育方法は底面フィルターを使用した飼育です。
コリドラス飼育にお悩みの方はさらっと目を通してみてください。
その原因は飼育方法にあるのかもしれませんので。
底面フィルターのセット方法はよ!という方はこちらをどうぞ↓
もくじ
熱帯魚ショップの情報を鵜呑みにしてはいけない
まず始めに・・・全ての熱帯魚ショップがそうというわけではありませんが、中には知識の少ない、或いはコリドラス飼育をしたことのない店員さんがいるのも事実です。
コリドラス専門店であればそんな心配は必要ないと思いますが、人員の必要な大型チェーン店などでは熱帯魚の知識が浅くても採用されるため、熱帯魚飼育経験の少ない店員さんもけっこういらっしゃいます。
なぜそこまで言えるのかというと、私自身が熱帯魚ショップで働いた経験があるからです。
働いた感想としては、自身の経験に基づいた飼育経験談よりも、人や本で仕入れた知識をそのままお客様に話している人も多く、説得力に欠ける人も多いな~という印象でした。
もちろん、ものすごく知識や経験が豊富で私自身も勉強になったと感じるようなスタッフさんもいらっしゃったことは念を押させていただきます。
どうしてもお店だと利益を考えなければいけませんので、(特に大型店は人件費などお金がかかるので)なるべく利益率の高い商品を売らなければならないわけですね。
安い設備で熱帯魚を長期間飼育してもらうよりも、高い設備を購入してもらって熱帯魚も時々☆になってくれた方がまた足を運んでくれるし、お店としては儲かるのだと思います。
特に熱帯魚や生き物って「絶対にこの飼育方法でないとだめ!」という正解がない世界なので、知識が少なくてもなんとかなっちゃうところもあります。
そして熱帯魚初心者の方は店員さんに言われたことを鵜呑みにしてしまいがちでもあります。
私もコリドラス初心者の頃は何が正解で?何が間違いなのか?分からなくて、店員さんに言われるがまま高いバクテリア商品などを親に頼んで購入してもらったこともありますし・・・(;’∀’)
今思えばあのバクテリア商品絶対いらなかったよな、とw
なので、もしコリドラス飼育について情報を収集するなら、コリドラスの品揃えが豊富な専門店に行くか、コリドラスブログ等で検索して水槽データなどが詳しく記載されている方の記事を読む方が勉強になると思います。
そして、これだ!と思った情報を参考にして自分で実際に飼育してみるのが一番ではないでしょうか。
底面フィルターがおすすめの理由
ここからは本題の底面フィルターについてです。
もうこのブログでは何度も書いていることなのですが、底面フィルターがおすすめの理由は「楽にコリドラスが長期間健康に飼育できるから」です。
「楽に」というところが大切で、コリドラスを長期間飼育するだけなら底面フィルターでなくても上部フィルターや外部フィルターでも大丈夫です。
ただ、熱帯魚飼育で一番面倒な水替え頻度が底面フィルターの場合は圧倒的に少なくてよく、普段の管理は餌やりと足し水のみで良いため、とにかく楽ちんなんですね!
なので、「あ~今週末は予定があるし、水替えできないな・・・」なんてことになっても問題ありません。
毎日毎日コリドラスが☆になっていないか確認しなくて大丈夫ですし、(ただ、観察は必要)週末になると重たいバケツを持って蛇口から水槽まで何往復もしなくてよくなります。
なぜ、楽に長期間飼育できる?
では、なぜ底面フィルターが「 楽にコリドラスが長期間健康に飼育できる 」のかというと、水槽内に自然環境を再現しやすいからです。
ここからはあくまで私の解釈です。専門家ではないので間違っている箇所もあるかもしれませんが、ご了承ください<m(__)m>
アマゾン川などの大自然では、誰かが定期的に水替えをしているわけではなく、そこに棲むバクテリアや微生物たちが魚や生き物が出した糞やアンモニアを分解し、最終的には無害なレベルまで変化させてくれます。(脱窒)
そして、山にしみ込んだ雨水は湧き水として川に注ぎ込まれるため、川は枯れることなくその体系を維持しています。(アマゾン川の場合は乾季というものがありますが)
その一連の流れとしては、
生き物が糞や尿を出す→その糞や尿からアンモニアという生物にとって有害な物質が出る→これを好気性バクテリア(ニトロソモナス)が亜硝酸塩(まだ有害)に変化させる→さらに別の好気性バクテリア(ニトロスピラ)が硝酸塩(比較的無害)に変化させる→嫌気性バクテリアが硝酸塩を窒素へと変化させる(無害化)
おおまかですが、このようなことが起こっていると考えられます。
バクテリアについて詳しくはこちら↓
大自然の場合は水槽と違って水量も桁違いですし、湧き水としてフレッシュな水が注ぎこまれるため、常に生き物が住みやすいバランスの取れた環境になっているものと思われます。
いや~、大自然ってすごいですよね。
本題ですが、水槽内をこの状態に少しでも近づけることができれば、水替えという人の手を加えなくても、水槽内でバクテリア達が活動し、分解→無害化まで行ってくれるはずです。
ただ、この状態を再現するには膨大な量のバクテリアや微生物が必要になります。
そこで登場するのが底面フィルターなんですね。
水槽内に底面フィルターを設置し、10kg~20kg分と分厚く大磯砂を敷くことで、飼育水の循環過程にある底砂内で大量のバクテリアや微生物が発生してくれます。
数十キロの底砂全体がろ材というイメージですね。
これが外部フィルターや上部フィルターであれば、フィルター内にろ材を詰め込むことしかできないため、ろ材の量が底面フィルターとは圧倒的に違うということになります。
もちろん、外部や上部フィルターでも連結させるなどしてフィルターを増やし、ろ過能力を上げたりすることもできますが、それだと手間もかかりますしお金もかかります。
もちろん、上部フィルターには上部フィルターのメリット、外部フィルターには外部フィルターのメリットがありますが、
実際に全てを使用した感想としては、価格とろ過能力のバランスを考えると底面フィルターがずば抜けていると感じます。
底面フィルターが有能な理由についてさらに詳しくはこちら↓
底面フィルターは勘違いされている?
「底面フィルターを使用するとコリドラスが病気になりやすい」
「底面フィルターは管理が大変」
「コリドラス飼育は底砂を浅く敷くのが基本でしょ?」
このように、底面フィルターで検索するとデメリットのようなことも多く書かれています。
このような意見に対して、実際に底面フィルターでコリドラスを長年飼育した経験から言いますと、使用方法を勘違いされている人も多いのかな?という印象です。
ということで、1つ1つお答えしていきたいと思います!
底面フィルターを使用するとコリドラスが病気になりやすい
これは底面フィルターが特別病気になりやすいというわけではなく、管理次第ですね。
私自身は、底面フィルターを使用したコリドラス水槽で病気にさせてしまったことがあります。
いくら長期間水替え無しで飼育できる底面フィルターでも、湧き水のようにフレッシュな水が入ってこない以上、飼育水は劣化していきます。
私はその当時、忙しさにかまけてあまりにも長期間水替えをしなさすぎたため、底砂の汚れも凄まじい最悪の環境にしてしまったんですね。
コリドラスは底砂の汚れには敏感ですから、気づいた時には時すでに遅し・・・状態でヒゲやヒレが溶けるという症状を発症させてしまい、☆にさせてしまった経験があります。
ですので、「底面フィルターが病気になりやすい」というよりも、適切な管理ができていなければ病気になる、ということですね。
底面フィルターを使用すると管理が楽になりすぎて、コリドラスの観察を怠ってしまうことがあるのですが、3か月~半年ごとの水替えと日々の生体観察はかかさないようにしなければなりません。
底面フィルターは管理が大変
これは人それぞれ、どんな状態を大変ととるか?だと思います。
私の1年間の底面フィルターコリドラス水槽の管理スケジュールですが、このような感じです↓
毎日の餌やりと時々足し水、3か月毎の水替え。コリドラスの状態に応じて大体2~4年に1回水槽リセット。
もちろん、状況によっては1年でリセットする場合もありますが、基本上記のような感じです。
これを2年くらいでリセットしなければいけないのか・・・と捉えるか、3か月毎に水替えするだけでええんや!と捉えるかは人それぞれですが、
個人的には、上部フィルターや外部フィルターを使用していた時よりも楽ですね!
私にとっては1~2週間に一度の水替えはけっこう負担でした(;’∀’)
あとは、単純にコリドラスの調子が良いので気に入っています。
コリドラス飼育は底砂を浅く敷くのが基本でしょ?
確かに、コリドラスは底砂の汚れに敏感なので、なるべく底砂を浅く敷いて掃除がしやすいようにしておいた方が良いのでしょうね・・・底面フィルター以外ならば。
底面フィルターの最大のメリットは、分厚く敷いた底砂を利用した強力な生物ろ過システムなので、薄く敷いては意味がありません。
ただ、底面フィルター以外では底砂の生物ろ過が殆ど機能しておらず、底砂内に毒素が溜まりやすいため、薄く敷いた方が良いということだと考えています。
ということで、底面フィルターのデメリットと言われている点は、日々の観察や管理方法によってデメリットではなくなるというのが私の意見です。
底面フィルターで飼育する時の注意点
管理が楽な底面フィルターでも注意点がありますので書いていきます。
健康なコリドラスを購入!
正しい使い方をすれば生物ろ過力に優れていてコリドラスを健康に飼育しやすい底面フィルターですが、コリドラス購入時の状態には細心の注意を払わなければいけません。
コリドラスは導入時の状態がその後の命運を左右するといっても過言ではありません。
ですので、ショップにいる時点からふらふらと元気なく泳いでいるような個体や、極端に痩せていて体が白っぽくなっている個体などは購入は避けた方が良いです。
健康なコリドラスを購入することが、どんなフィルターを使用することよりも大切です。
餌の与え過ぎに注意
かわいいコリドラスが餌をバクバク食べているのを見ると、ついついたくさんあげてしまいそうになりますが、餌の与え過ぎは糞の増加や残り餌による飼育水の汚れの原因にもなるため、ほどほどにしておいた方が良いです。
うちでは1日1回冷凍赤虫しか与えていませんが、約30分で食べ切れる量を与えています。
もしも太らせるためにたくさん餌を与えたいのであれば、水替え頻度を増やして飼育水の汚れを抑えると良いかもしれません。
過密飼育しない
これは底面フィルターに限ったことではありませんが、過密飼育は思わぬ病気を発症させる原因にもなるため、やめておいた方が良いです。
実際、私は45㎝水槽で大小約20匹のコリドラスを飼育していた時期があったのですが、そのうちのクルジエンシスというコリドラスがポップアイという目が飛び出す病気になってしまい、かなり改善されたものの未だに完治はしていません。
その他にも、コリドラスにとって過密飼育で良いことは1つもないため、購入する時は熟考することを推奨します。
日々の観察を怠らない
これもフィルター関係なく非常に大切なことですが、日々の観察は怠らない方が良いです。
私は日々の観察をおざなりにした結果、コリドラスの症状が取り返しのつかないところまで進行していた・・・という痛い経験をしたので、本当に大切だと痛感しています。
まぁ・・・私のようなポンコツアクアリストは居ないとは思いますが、日々コリドラスを観察(ヒゲは溶けていないか?ヒレに異常はないか?など)してあげてください。
仮に異常があっても、早期発見できれば環境を変えることですぐに治る可能性が高いので本当、観察は大切です!
底面フィルターで楽しいコリドラスライフを
私は底面フィルターを使用するようになり、コリドラス飼育が余計に楽しくなりました!
その理由はコリドラスが健康に飼育できるようになったことが大きいです。
それまでは外部フィルターや上部フィルターで飼育していたのですが、それなりにうまく飼育はできていたものの、なんだか神経を使っている感覚でした。
1~2週間に一度の水替えと、水替えした後などにコリドラスが体調を崩していないか気になったり・・・。
ですが、底面フィルターを使用して生物ろ過に全振りした結果、難しいと感じていた種類のコリドラスでも簡単に飼育できるようになり、
水替え後に不安になるようなこともなくなったため、心配事がなくなりました!
コリドラスを長期間健康に飼育できるようになると、飼育に対して自信がついてくるので、新しいコリドラスも不安を感じることなく迎え入れることができます。
さすがに数万もするコリドラスを導入する時は不安になりそうですが・・・笑
コリドラス飼育を辞める原因
コリドラス飼育を辞めてしまう原因の一つに、管理が大変というものがあるのではないかと思います。
いくらうまく飼育ができても、コリドラスの世話に休日が奪われているようでは、よほど世話好きでもない限り長続きしませんよね。
私はそれが嫌で底面フィルターを使い始めた過去があります。
私のように面倒くさがりの人は多いと思います。
ただそんな人でもコリドラスを楽に楽しく飼育できれば、コリドラス好きな人がもっと増えて、買う人が増えれば結果的にコリドラスが今よりも多く輸入されてコリドラス業界も盛り上がるのではないかと思います。
ということで、もしもコリドラス飼育につまづいているという人は、一度底面フィルターの使用を検討してみてはいかがでしょうか?
それでは、何か一つでも参考になりましたら幸いです。
良いアクアライフを(^O^)/