水槽で熱帯魚飼育を始めようという時に、熱帯魚ショップなどで導入時に必要な物として進められる物の1つがバクテリア商品ですね!
そんな、熱帯魚飼育において切っても切れない関係であるバクテリアが、実際にどんな働きをして水槽の水を綺麗にしてくれているのか・・・
何となくは分かっているけど、人に説明出来るほどではないな・・・というレベルだったので、今回目を血走らせながら調べてみました。
アクアリウムを長年やっている方からしたら当たり前過ぎる話だと思うのでスルーしちゃってください(;’∀’)
※色々調べて得た知識ですが、ある程度断定的な言い方で書きますのでご了承ください。
バクテリアとは
バクテリアとは、日本語にすると細菌の事で単細胞生物の通称ですね。
バクテリア
コトバンクより
〘名〙 (bacteria) もっとも原始的な単細胞生物の通称。細菌。分裂菌。
バクテリアは私たちの身近な場所に存在していて、目には見えませんが空気中にも水道水にも存在しています。
ただ、水道水は塩素などで殺菌されているので、日本の場合は煮沸殺菌などせずに飲んでも特に問題は起こりませんね!
納豆やヨーグルトなどの発酵食品に使われる、納豆菌やビフィズス菌も細菌の一種ですが、水槽内に存在する細菌(バクテリア)とは種類が違います。
他にもパンを発酵させるイースト菌など、世界には実に多種多様な細菌類が存在していますが、専門家でもないので細菌の種類について深堀りするのは省かせていただきます!
本題ですが、世界中至るところに存在する細菌の中でも、水槽内に存在する細菌(バクテリア)には主に2種類いて、それが次に説明する好気性バクテリア(好気性菌)と嫌気性バクテリア(嫌気性菌)です。
好気性バクテリアの働き
まず好気性バクテリアとは、酸素を必要とするバクテリアの事ですね。
好気性菌
コトバンクより
酸素の存在下で発育する細菌.偏性好気性菌
酸素が無ければ存在出来ないバクテリアですが、水槽内では基本的にどのフィルターを使用していても水流があれば酸素が取り込まれますので、新規セット時を除いて必ず存在しています。
では、その好気性バクテリアの働きとは?
一体、水槽内でどのようにして水を綺麗にしてくれているのでしょうか。その過程を書いてみます。
水槽の魚に餌をあげる→魚が糞をする→その糞や残餌からアンモニアという生物にとって有害な物質が出る→これを好気性バクテリア(ニトロソモナス)が亜硝酸塩(まだ有害)に変化させる→さらに別の好気性バクテリア(ニトロスピラ)が硝酸塩(比較的無害)に変化させる
こういった分解が水槽内では起こっていて、この一連の流れの過程の事を硝化といいます。
つまり、魚の出した糞や汚れを比較的無害な物質に変えてくれる働きをするのが好気性バクテリアなんですね^^
しかし、比較的無害というだけで、酸性物質である硝酸塩が蓄積されていくと水槽水は自ずと酸性に傾いていきます。ずっと水替えをしないと水質が酸性に傾いていくのはこの為ですね!
そのまま放置していると、飼育しているコリドラスに悪影響を及ぼすので何かしらの対策が必用となります。
ここで、即効性のある対策が水替えですね!
嫌気性バクテリアの働き
嫌気性バクテリアとは、好気性バクテリアとは対照的に、基本的に酸素を必要としないバクテリアの事ですね。
嫌気性菌
遊離の酸素のない状態で生育,増殖する細菌.酸素があるとまったく生育できない偏性嫌気性菌と,酸素の有無にかかわらず生育可能な通性嫌気性菌がある.
コトバンクより
ただ、嫌気性バクテリアにも2種類いるようで、酸素があると存在できない偏性嫌気性菌と、酸素があっても存在できる通性嫌気性菌がいるようです。
水槽内で活躍してくれるのは通性嫌気性菌の方ですね。
嫌気性という文字だけを見ると、「何か飼育水にとって有害そうなバクテリアだな・・・」という印象を持つのですが、実はこの嫌気性バクテリア(通性嫌気性菌)こそ、飼育水を綺麗に保つためのキーマンだったのです!
どういう事かと言いますと、この嫌気性バクテリア(シュードモナス)は害は少ないといえど蓄積すると放ってはおけない憎いやつ!
そう!硝酸塩を除去してくれるのです!
さらに具体的には、硝酸塩を窒素へと変化させてくれるのです。この過程を脱窒といいます。
嫌気性バクテリア(通性嫌気性菌)は酸素のある環境では普通に呼吸しているのですが、酸素が無くなってくると硝酸塩を窒素へと変える働きをし始めます。
では、酸素で溢れているはずの水槽内で、嫌気性バクテリアが一体どこに住んでいるかというと、主に流れが無く酸素の少ない場所ですね!
例えば、うちの水槽でいうとミクロソリウムやアマゾンソードが生い茂って水流が殆ど無い底砂周辺などに生息していると思われます。
後、うちでは底面フィルターを使用しているので、底砂内を水が循環しているのですが、フィルターから遠い底砂内などは目詰まりを起こしている個所もあり、流れが滞っている場所があります。
恐らく、そういった酸素の薄い場所に嫌気性バクテリアは生息しているのだと思います。
硝酸塩が分解され窒素として脱窒(水槽外に窒素として放出)されると、事実上の無害化となります。
ちなみに、酸素が全くない状態になると出現する偏性嫌気性菌は名前の通り嫌な菌で、繁殖すると硫化水素などの悪い物質を生成するようです(;’∀’)
水草の重要性
好気性バクテリアと嫌気性バクテリアの働きにより、理論的には水替えをしなくても飼育水が綺麗に保たれるとなるのですが、実際はそうもいきません。
やはり、毎日餌を与えるコリドラスの出す糞の量は凄まじいですし、45㎝程の小さい水槽ではバクテリアの分解にも限界があると思うんです。
そこで、手助けとなり水を綺麗にしてくれる役割を担ってくれるのが水草なんですね!
水草の3大栄養源の1つに「窒素」があると思うのですが、このことが飼育水にとてもプラスの働きをしてくれます。
最初の内容に戻るのですが、好気性バクテリアは魚の出した糞や汚れを分解していき、最終的には硝酸塩まで分解します。
ここまでだと水草に何の関係が?という感じなのですが、実はこの硝酸塩を構成する原子の1つに窒素が含まれているので、硝酸塩は水草の栄養源となり水草が吸収してくれるんですね!
確かに、うちでも水草が生い茂っている水槽は他のあまり水草が生い茂っていない水槽に比べて明らかに調子が良いので、とても納得です。
ちなみに、うちで生い茂っているハイグロフィラポリスペルマは窒素を主な栄養源としているようなので、かなり硝酸塩の除去に貢献してくれていると思われます^^
インフゾリアの役割
インフゾリアとは動物性プランクトンの総称の事で、ワムシやゾウリムシなどの微生物のことをそう呼んでいるようです。
うちでは2週間に1回、インフゾリアの素を飼育水に振りかけています。このインフゾリアがどんな働きをしてくれているのかというと、主には魚の出す糞や汚れの初期分解を行ってくれます。
つまり、バクテリアだけでは時間のかかってしまう初期の分解作業を、「俺も手伝うで~!」といって手助けしてくれるんですね。
そのお陰で糞や汚れの分解が早くなり、より安定した飼育水が望めます。
ということで、分解から脱窒(無害化)までの大まかな流れは
糞やアンモニアをインフゾリアが初期分解→好気性バクテリアが硝酸塩まで分解→嫌気性バクテリアが硝酸塩を窒素へ還元し、同時に水草も硝酸塩を養分として吸収→硝酸塩の減った水槽は飼育水が安定するので、長期間水替え無しで維持管理出来る。
まとめ
・好気性バクテリアは有害なアンモニアを比較的無害な硝酸塩へと分解してくれる
・硝酸塩は蓄積されると飼育水を酸性に傾ける
・嫌気性バクテリアは硝酸塩を完全無害な窒素へ変えてくれる(脱窒)
・硝酸塩は水草を植えることでも減らすことが出来る
・インフゾリアは糞や汚れの初期分解をして、バクテリアの働きを助けてくれる
自然界で水替えを行わなくても水が綺麗なのは、好気性バクテリアと嫌気性バクテリアの存在のお陰だったんですね(^O^)
今回目を血眼にして調べ回ったことで、うちの水槽が今どのような状態にあるのかより理解が深まりました。
もしかしたら間違えて書いてあることがあるかもしれないので、その際はお知恵のある方指摘していただけると有難いです!
それでは、良いアクアライフを(^O^)/
コメント失礼します。
好気性バクテリアは日光など光が当たる場合と当たらない場合では増え方に違いがあるのですか?
もしくは光がないとだめでしょうか?
エビの旦那さん、コメントありがとうございます!
好気性バクテリアについてのご質問ですが、私は専門家ではないので今ある知識の中で回答させていただきます。
日光の有無で増え方に違いがあるのかどうか→これは実験&観察を行ったことがないので分かりません。
光が無いとだめなのか→好気性バクテリアの生存条件は「酸素」なので、酸素のある環境であれば増えると思われます。
ただ、「酸素」がより多く出される環境を考えると、暗闇よりも光のある環境の方が適しているのではないかと思います。
その理由は、光があることで水草や苔が光合成を行い酸素を出すことで、バクテリアが増えやすい環境がより整うはずだからです。